年代後半、東証マザーズやヘラクレス(旧ナスダック・ジャパン)といった新しい証券市場の創設によって、上場を目指す企業の受け皿は格段に大きくなりました。規模が小さかったり、その時点では赤字であったりしても、将来性の見込まれるベンチャー企業なら上場出来る環境が整ってきたのです。
こうした状況を受けて、株式公開を目指す有望企業を発掘・支援する「ベンチャーキャピタル」もまた急速に注目を集めることになりました。ベンチャーキャピタル専業の独立系に加え、銀行系・証券系・商社系・メーカー系…など、多くの大手企業がこの分野に進出しました。
この90年代後半〜2000年前後は、ITバブルといわれた時期とも重なっており、コンピュータ技術やネットビジネスの有望企業が続々と起業された時期でもありました。ブームが広く社会から注目されたため、資金自体も集めやすく、また上場後の株価も高値で推移し収益もあげやすい…など、ベンチャーキャピタルが活躍する条件がそろっていたといえます。
しかし、その実態をよく見てみると、投資先企業のビジネスモデルをしっかり見きわめ、投資を通じて企業を育成する…というベンチャーキャピタル本来のあり方ではなく、いかにして上場が近い企業を見つけるか、そしてその企業に出資して上場時の利益の分け前にあずかるか…という安易な発想で投資を行っているケースが目についたのも事実です。こうしたベンチャーキャピタルは、ITバブルの崩壊により、当然のようにそのビジネスの後退を余儀なくされたのです。
現在のベンチャーキャピタル業界は、こうした過去の事例を教訓とし、対象企業のビジネスモデルや技術力を注意深く審査した上での投資を行っており、場合によっては役員(経営陣)を送り込むハンズオン型での経営支援にまで踏み込む本来のベンチャーキャピタルの姿を取り戻しています。
こうしたベンチャーキャピタル業界が求める人材は、金融業界出身者だけにとどまりません。バイオテクノロジーやITなど、専門家でないとそのビジネスモデルの将来性や技術力の評価が困難な分野に対応するため、様々な先端科学技術に精通したスペシャリストも採用の対象となっているのです。
VC -本来の姿を取り戻したベンチャーキャピタル-
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VC -コンサルタントから-
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が国の経済発展にとって、ベンチャー企業への投資や育成は非常に重要な課題となっています。その役割を直接的に担うベンチャーキャピタルは、まさに日本経済の発展・進歩を支える役割を果たしているといっても過言ではないでしょう。
投資業務に精通したスペシャリストや企業経営で十分な実績を残されたシニアクラスの方から、これからの日本の将来を支える企業を自らの手で育成・発展させていきたいというジュニアクラスの方まで、ベンチャーキャピタル業界は多くの方の参画を待っているといえます。
様々な経験、レベルの方に応じたポジションがありますので、ご興味をお持ちの方は、ぜひ私どもクイック人材紹介部にご相談いただければと思います。