退職予定の状況にあわせて解説 在職中の転職活動、履歴書はどう書く?

近年、転職活動は在職中に行うのが一般的です。2020年の厚生労働省の調査でも、転職経験がある人のうち約8割が、在職中に転職活動をしていたことがわかっています。

この記事では、在職中の転職活動で履歴書を書くときに注意すべきポイントをまとめて解説します。

職歴欄や本人希望欄など、それぞれの欄の書き方について、記入例とともに見てきましょう。

※参考:厚生労働省|令和2年転職者実態調査の概況

在職中は気をつけるべき、3つの記入欄

在職中に転職活動をする場合、履歴書の作成時には下記の3つの欄の書き方に注意しましょう。

記入欄 ポイント
職歴欄
  • 「社名+入社」の一行下に「現在に至る」と書く
  • 退職予定日が決まっている場合は日付を書く
本人希望欄
  • 連絡の取りやすい日時・時間帯を書くのがおすすめ
  • 退職日が決まっていたら、入社可能日を書いてもOK
志望動機・自己PR
  • 現在進行中のプロジェクトについても書いてOK
  • 現在も行っている業務なら「〇〇しております」と表現する

それぞれの欄の書き方について、くわしい見本画像とともに解説していきます。

「職歴欄」の書き方

在職中に書く履歴書の職歴欄は、退職予定日が決まっているかどうかで書くべき内容が異なります。

退職予定日が決まってない場合

履歴書職歴欄記入例|職歴 2018年4月株式会社ABC 入社 現在に至る 以上在職中で退職予定日が決まってない場合、履歴書の職歴欄は在籍中の会社名を書いた一行下に「現在に至る」と記入しさらに次の行に右寄せで「以上」と書きましょう。

「退職」と書くとすでに離職していることになりますが、「入社」に続いて「現在に至る」と書けば、在職中であることが問題なく伝わります

もしくは、在籍中の会社名の横に「入社」ではなく「在職中」と書いてもOKです。その次の行に右寄せで「以上」と書くのを忘れずに。

【社名+「在職中」でもOK】

一行で在職中であることが伝わるため、職歴欄が小さく書ききれない場合はこちらがおすすめです。

退職予定日が決まっている場合

今の会社と合意し、退職日が確定している場合は、履歴書の職歴欄に退職予定日とあわせて「退職予定」と書いても良いでしょう

この場合、在籍中の会社名を書いた一行下に「退職予定(20XX年◯月◯日)」と記入します。次の行に右寄せで「以上」と書くのを忘れないようにしましょう。

【予定日が決まっている場合は、日付まで書く】学歴・職歴欄での、退職予定の書き方の例。「退職予定(2021年3月31日)」と記入。

なお「退社予定」ではなく「退職予定」なので注意しましょう

▼退社と退職の違いについてくわしくは…

有給休暇消化中は?

有給休暇を消化している最中に転職活動用の履歴書を書く場合、職歴欄には「退職」ではなく「退職予定(20XX年◯月◯日)」のように退職日を書きましょう。有給消化中はまだ退職日を迎えていないため、その会社に在籍していることになるためです。

なお、このときに書く日付は最終出社日ではなく、その会社を辞める日(=退職日)です。

▼有給休暇と最終出社についてくわしくは…

コラム:アルバイト・パートの場合

アルバイトやパートとして在職中の場合、「入社(アルバイト/パート)」と書いた一行下に「現在に至る」と書き次の行に右寄せで「以上」と記入してください

アルバイト・パートの場合の職歴欄の見本画像

2つ以上のアルバイトを掛け持ちしている場合は「入社」と「退職」のタイミングを時系列順に書けばOKです。1社でも在職している場合は、最後の行に「現在に至る」と忘れずに記入してください。

アルバイト・パートを掛け持ちしている場合の職歴欄の見本画像

なお、パート・アルバイトに応募する場合は、具体的なシフトの希望日は本人希望欄に書くか、面接時に直接伝えるようにしましょう。

正社員への転職活動で、アルバイト経験を履歴書に書く場合の注意点記入時のポイントについて、くわしくは下記の記事で解説しています。

「本人希望欄」の書き方

連絡が取れない曜日・時間帯を書く

在職中の転職活動では、履歴書の本人希望欄に「連絡が取れない曜日と時間帯」を記入しておくと安心です

在職中であるために応募先企業と連絡が取りづらかったり、連絡の行き違いで面接の調整に手間取る可能性があるからです。

在職中の本人希望欄の書き方の見本「現在就業中のため、月~金曜日の9時~17時は電話に出ることができません。留守番電話やメールを確認後、可能な限り早めに折り返し連絡いたします。」

なお「連絡が取れない曜日と時間帯」に加えて、連絡を確認した後は速やかに折り返し連絡を入れる旨を添えると、丁寧な印象を与えられるでしょう。

退職日が決まっていれば、入社可能日を書いてもOK

現職で退職の話がまとまっており、退職日が確定している場合は、本人希望欄に入社可能日を書いてもOK

一方、退職日が決まってない場合、わざわざ「入社可能日は未定です」と書く必要はありません

本人希望欄に入社可能日を書く場合の見本「2021年10月1日より入社可能です。」

なお、本人希望欄に入社可能日を書かなかった場合でも、その後の面接のどこかのタイミングで聞かれる可能性が高いでしょう。

直接聞かれたときは、退職日のめどが立っていれば、そのまま日付を伝えてOK。未定の場合は、面接から1~2ヶ月後を伝えるのが一般的です。

【入社可能日の答え方】

退職手続きや業務の引き継ぎを鑑みて、内定をいただいてから1~2ヶ月後には入社可能です。

「志望動機」「自己PR」の書き方

現在進行中の業務についても書いてOK

在職中の転職活動では、携わっているプロジェクトが現在進行中でも、業務の内容や現時点での成果を「志望動機」や「自己PR」に記入して問題ありません。

記入時に「〇〇しました」という過去形の表現では違和感がある場合、現在進行形の「〇〇しております」といった表現をすればOKです。

志望動機欄と自己PR欄の書き方や、状況・アピールポイント別の例文は、下記の記事でくわしく解説しています。あてはめて作れる基本テンプレートや、思いつかないときのコツについても紹介しているので、チェックしてみてください。

その他の記入欄の書き方

履歴書の「職歴欄」や「本人希望欄」以外の書き方を知りたい場合は、以下の記事を確認してください。

下記の「履歴書の書き方ガイド」では、テンプレートのダウンロードや企業に提出するときのマナーなど、履歴書作成に関するすべての情報をまとめています。履歴書の書き方から提出マナーまで、全容を知りたい人はこちらもご確認ください。

あわせて確認!在職中の転職活動の心構え

さいごに、在職中に転職活動を進める上で心得ておいたほうが良いポイントを紹介します。

  • 入社までに数ヶ月かかる可能性が高い
  • 退職の手続きや引き継ぎは丁寧に
  • 職務経歴書の準備・作成も進める

入社までに数ヶ月かかる可能性が高い

在職中の転職活動は、現職での仕事と並行して行わなければならないため、離職してからの転職活動に比べて時間と体力が必要になります

また、ほとんどの会社は就業規則などで「退職に◯ヶ月前までに申し出なければならない」といった規定を設けています。採用が決まってもすぐに新しい会社で働き始められるわけではないので、転職活動の終了までには数ヶ月かかることを理解しておきましょう。

退職の手続きや引き継ぎは丁寧に

在職中に転職活動をする場合、現在の勤め先との退職交渉担当業務の引き継ぎをおろそかにしてはいけません。予定通りのスケジュールで退職できなかったり、最悪の場合、転職先に良からぬ噂が広まる可能性があるためです。

転職活動をうまく進めるための退職の流れについて、くわしくは下記の記事で解説しています。

職務経歴書の準備・作成も進める

転職活動では、履歴書のほかに過去の経験や自己PRなどをくわしく記載する「職務経験書」の提出を求められることがほとんどです。

下記の記事では、テンプレートや各項目の記入方法、職種別の例文など、職務経歴書のノウハウをまとめて掲載しています

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