よくある質問・聞くべき逆質問 最終面接に落ちないための対策
内定も目前に迫った最終面接。絶対に失敗したくありませんよね。
最終面接を通過して内定を勝ち取るために、最終面接の目的やそれまでの面接との違い、質問・逆質問対策など、合格のノウハウをすべて解説します。
最終面接では何が見られる?目的は?
志望度の高さが見られている
最終面接では、内定が出たら入社する覚悟があるのか、主に志望度の高さを見られています。
最終面接まで進んだ候補者は全員、一次面接・二次面接でスキル・経験面はおおよそ問題ないと評価されています。そこからさらに絞り込む評価軸として、最終面接では志望度の高さを確認し、最終的な合否が決定されます。
また、志望度の高さが判断される背景として、内定辞退を極力避けるため「確実に入社してくれそうな候補者を見極めたい」という企業の思惑もあるようです。
雑談形式の最終面接には要注意
最終面接の形式や面接官の人数は会社によって異なりますが、大まかに「通常質問型」と「雑談型」の2パターンに分かれます。
通常質問型は、面接官からの質問に回答する一般的な面接のこと。一次面接・二次面接と同様、端的に答えることを意識すれば問題ありません。
一方、転職の最終面接では、一見するとただの雑談のような「雑談型」の面接になるケースも。こちらのケースでは、面接官は雑談を通して、応募者の素顔・本音を探ろうとしています。
雑談型の最終面接では、志望度の高さを言葉で伝えるほかに、以下の2つについても気をつけましょう。
- 話を聞く姿勢にも気を配る
- 場が和んでも礼節をわきまえる
話を聞く姿勢にも気を配る
雑談型の面接では、面接官が話す場面も多いため、話を聞く姿勢からも人間性を見られています。相手の顔を見て、やや前のめりで頷きながら話を聞き「話の内容に関心を持っている」ことを示しましょう。
とりわけ最終面接の面接官は、社長や役員などの経営層であることが一般的。話し好きな経営者の多くは否定されることを嫌うため、否定的な受け答えをするのはNG。相手の話を共感と肯定の態度を示しながら聞きましょう。
場が和んでも礼節をわきまえる
雑談型の最終面接でも、発言内容やマナーには気を配りましょう。場が和んでくると、つい砕けた物言いをしてしまったり、言わなくてもいい本音がポロッと漏れたりしてしまうことがあります。
いくら雑談のような雰囲気だとしても、敬語を使うのを忘れたり、長話や面接に相応しくない話をしてしまったりすると、大きなマイナスになりかねないので注意しましょう。
〈よくある雑談型面接の失敗例〉
- 話が弾んでつい本音が漏れ、これまでの面接の話と矛盾が生じてしまう
- プライベートの話をしすぎてしまう
- 調子に乗って、自分の話を長々としすぎてしまう
最終面接で落ちることはある?通過率は?
最終面接の合格率は、4~5割程度
最終面接の合格率はおおよそ4~5割ほどと言われています。ほぼ合格とまでは言えないものの、一次面接・二次面接に比べると合格率はやや高めになっているようです。
なぜなら、繰り返しの説明にはなりますが、最終面接では主に志望度の高さが見られているから。一次面接・二次面接ですでにスキル・経験といった能力面は評価されているため「本当に自社にふさわしい人材」という印象さえ与えられれば、内定の確率が上がると言われています。
なお、最終面接で落ちてしまう5つの理由については、下記の記事で解説しています。
最終面接では何を聞かれる?質問12選
最終面接ならではの質問はない
最終面接だからこそ聞かれる「特別な質問」はありません。ただし、面接官が社長や役員か、あるいは現場社員かによって聞かれる質問は異なります。
面接官が社長や役員の場合、実務や専門分野についての話よりも、志望動機や転職理由、これまでの職歴など、オーソドックスな質問が多い傾向があります。
一方で面接官が現場社員の場合、入社後に一緒に働く可能性も見据え、専門的な実務スキルや経験について、具体的に聞かれることが一般的です。
最終面接を担当する社員が誰かは、当日その場になって初めてわかるケースがほとんど。どんな人物が面接官でも対応できるよう、一通りの質問対策をしておきましょう。
最終面接でよくある質問12選
最終面接でよく聞かれる質問と回答例を、12種類紹介します。
質問1:志望動機を教えてください
〈回答例:IT企業への転職〉
私は、介護にITを活用するというビジョンに共感して、御社を志望しています。
私は祖父の介護をきっかけに、日本の少子高齢化問題の解決に、自分の得意分野であるITで何らかの貢献ができないかと問題意識を持ち続けてきました。介護の現場は身体的な負担が大きいのはもちろん、夜間の見守りなど気を抜けない場面も多く、改善の余地が多々あると感じたためです。
前職のIT企業では介護分野と関わりが無かったのですが、培った技術をいつかこの分野で発揮したいという熱意を持ち続けてきました。そのため、IT企業でありながら、介護や福祉サービスにも深く関われる御社を強く志望しています。
最終面接の志望動機は、志望度の高さや企業との相性を見るための質問です。
「企業のビジョン・目標を理解している」「企業の方針と自分の考えが一致している」という前提を踏まえた上で、「その企業で何をやりたいのか」「他の企業ではなく、なぜこの企業を選んだのか」がハッキリ伝わるように、具体的なエピソードを交えて話しましょう。
面接での志望動機の考え方や答え方、職種別の例文については下記の記事でくわしく紹介しています。
質問2:長所を教えてください
〈例:営業職への転職〉
私の長所は行動力です。
前職の営業の仕事で任されたのは、新規のお客様をアポイントなしで訪問する業務でした。ほぼゼロからのスタートだったため大変でしたが、まずは場数を踏もうと気持ちを切り替えました。同僚の数倍の件数を訪問し、体当たりでコツをつかむことで、入社半年で契約件数トップとなることができました。御社でも行動力を活かして、数字に反映させていきたいと考えています。
最終面接の長所の質問では「自分の長所を客観的に把握しているか」「その長所を、転職後にどう活かせるのか」が問われます。
回答のポイントは、具体的なエピソードを話すこと。一言目で何が長所かを伝えた後に、それを象徴する成功体験を話しましょう。具体的であればあるほど、面接官に「転職後も同じように活躍してもらえる」というイメージを与えられます。
長所が思いつかない人に向けて、下記の記事では長所・短所の定番27種の例文を紹介しています。自分にあてはまるものを探してみましょう。
質問3:短所を教えてください
〈例:どの業界・職業でも使える例〉
好奇心旺盛で、ついいろいろなことに興味を持ちすぎてしまう点が短所です。そのため仕事でも、いくつかの作業を半端な状態で持ち続けてしまう場面もあります。
しかし、自分の癖を意識してからは、タスクを書き出して優先順位をつけ、自分の状況を可視化するよう心がけるようにしました。その結果、一つの仕事を終わらせてから次の仕事に取り掛かるという意識が定着してきたと感じています。
最終面接の短所の質問は「自分の短所を客観的に把握しているか」「短所をどうカバーしているか」が問われます。
自分の短所を客観的に伝えるだけではネガティブな印象を与えてしまうため「短所をどうカバーしているか」を具体的なエピソードを交えて伝えるようにしましょう。
短所を放置せず、改善の努力をしていることが伝われば、逆に努力家といったポジティブな印象を残すことができます。
短所が思いつかない人に向けて、下記の記事では長所・短所の定番27種の例文と、伝えるときの注意点について解説しています。
質問4:どんなときに仕事のやりがいを感じますか?
〈例:IT企業への転職〉
難しい仕事を達成したときに、やりがいを強く感じます。
前職では入社間もない段階から、専門外の言語を使ったプログラミング等を任されてきました。最初は対応に困ったのですが、先輩社員にアドバイスをもらったり、月に○○冊ほど参考書籍を読んだりして知識を身につけることで、納期までに仕事を完遂させてきました。
難しい仕事を任されることでプレッシャーはあるものの、これからも創意工夫を重ねて、成功体験を積みたいと考えています。
仕事のやりがいに関する質問は、入社後のミスマッチ防止のために「転職後も意欲を持って仕事ができるか」を確かめる意図があります。
そのため「自社でもやりがいをもって働いてもらえそう」という印象を残せるように、応募先の企業と共通点のあるシチュエーションで「やりがいを感じた」というエピソードを伝えるようにしましょう。
質問5:前職の退職理由は何ですか?
〈例:どの業界・職業でも使える例〉
自分のこれまでの経験を活かしながら、さらに事業規模の大きな御社でステップアップしたいと考え、退職を決意しました。
退職理由に筋が通っているか、問題が無いか等を確かめるための質問です。答える際は、ポジティブな内容を伝えるようにしましょう。
前職の不平不満をただ伝えるのではなく「○○を実現するため、それができる御社への転職を決意した」といった前向きな表現に変換すると好印象を与えられます。
また、回答後に「詳しく聞かせてほしい」と追加で質問される場合があります。それに備えて、退職を考えるきっかけとなったエピソードも準備しておくと、安心できるでしょう。
もしも言いづらい退職理由しか思い浮かばない場合は、うまく伝える方法について下記の記事も参考にしてください。
質問6:仕事をする上で、大切にしていることは?
〈例:接客業・営業職への転職〉
相手の立場に立って考えることを大切にしています。お客様と接する仕事に携わってきた中で、より満足いただけるサービスの提案や、信頼獲得にもつながると感じてきたからです。
実際に、現職の営業活動の中でも、お客様は何が分からないのかを考え、寄り添う姿勢を大切にしてきました。その結果、「○○さんに聞けば、何でも解決してもらえる」といった声をかけていただける程の関係が築けています。
御社への入社後もこの姿勢を大切にし続け、新たなお客様との関係も強固に築いていきたいと考えています。
応募先の企業でも、モチベーションを高く持って仕事ができそうかを確認する質問です。転職後の業務内容と共通点のあるエピソードを使って「仕事をする上で何を大切にしてきて、どんな成果をあげてきたか」を伝えましょう。
質問7:入社後に、どのようなことに挑戦したいですか
〈例:建設業界への転職〉
御社で力を入れている大規模施設の建設業務に携わりたいと考えています。これまで携わってきた高層マンションや商業施設の建設業務の知識・経験を活かし、数年後にはプロジェクトを推進する中心人物になれればと考えています。
入社後に挑戦したいことを問う質問では「きちんと目標を持って転職活動しているか」「目標が現実的か」をチェックされます。
この質問は、業務内容をしっかりと踏まえた上で、挑戦したいことを具体的に伝えるのがポイントです。また、挑戦する内容が無謀だと思われないように「こんな経験・知識があるから、挑戦できる」という根拠も必ず示しておきましょう。
質問8:この事業を、どのように成長させていきたいですか?
〈例:人材業界への転職〉
人材業界は競合企業が多数存在するため、今後も差別化が必要になると考えています。その上で注目しているのが、ITを使った新サービスの導入です。転職活動の面接は時間の調整がネックになることが多いため、電話会議やスケジュール管理アプリなど、柔軟な時間管理を可能にするサービスの需要が高いと考えています。
こうした業界のトレンドを見逃さず、利用者目線で悩みを解決するサービスの提供を進めることで、御社の業界内での地位を確固たるものにしていきたいと考えています。
最終面接では「事業内容の理解度」と「あなたがどう貢献できるか」を確かめるために、広い視野が求められる質問をされることもあります。
社長・役員といった会社を動かす立場の人を相手にするため、自分の担当業務だけではなく、事業の将来像まで含めた広い視野を持っていることをアピールしましょう。
質問9:他社ではなく、当社を選ぶ理由を教えてください
〈例:メーカーへの転職〉
前職の海外経験が最も活かせると思ったからです。御社は現在テレビの製造を中心に海外展開を進めており、そのアジアでのシェアは国内メーカーでトップです。私は前職において、ベトナムで2年間、現地駐在営業を経験しており、英語はビジネスレベルで話せます。その強みを御社で活かし、グローバルな視点で大きなビジネスを動かしたいと考えました。
「他社ではなく、当社を選ぶ理由」を問う質問では、応募先の企業への志望度の高さがチェックされます。
他社との違いを分析したうえで「この企業を選ばなくてはならない理由」と「その企業で活躍できる理由」を語りましょう。
質問10:関心のあるニュースはありますか?
〈例:建設業界への転職〉
建設業界へのVR教育ツールの導入に関するニュースに興味を持ちました。人手不足と言われている建設業界では、採用した人材をいかに早く一人前に育て上げるかが課題です。そこへVRを活用した最新の教育ツールを導入し、体験型の教育を行うことで教育期間の短縮を図っているという点が興味深いと感じました。
建築とVRという一見関わりの無い分野でも、ツールを売り込む余地があるという点は、営業として見逃せないポイントです。私も新しい視点で営業提案できるよう、発想力に磨きをかけていきたいと考えています。
応募先の企業に関連するニュースへの、アンテナの高さが確かめられる質問です。数ヶ月以内のニュースをひとつ取り上げ、ニュースの概要と、興味を持ったポイントを伝えましょう。
加えて、自分の業務内容に絡めて話せると「ビジネス視点でニュースを見る癖がついている」という印象を与えられます。
最近の気になるニュースの見つけ方、例文集は下記の記事からご確認ください。
質問11:他に選考が進んでいる企業はありますか?
〈例:どの業界・職業でも使える例〉
はい。現在、前職の営業経験を活かすことができる人材サービスの業界を中心に、御社の他に4社ほど受けております。
内定を出した後の計画を練るために、応募者の他社への応募状況・選考状況を把握するための質問です。嘘をつくと後々トラブルになる可能性があるため、正直に状況を伝えましょう。ただし、具体的な企業名を伝える必要はありません。
回答後に「その中で、弊社の志望度はどれくらいですか?」と聞かれることも。その場合は「第一志望です」と伝えた上で、どうしてそう言い切れるのか、魅力を感じているポイントを改めて端的に答えましょう。
他社の選考状況に関する具体的な答え方は、下記の記事でくわしく紹介しています。
質問12:残業が多い仕事ですが、大丈夫ですか?
〈残業できる場合〉
はい。前職でも慣れていますので、必要になったときは残業にも取り組みたいと考えています。その上で少しでも残業を減らせるように、いち早く業務を覚えるよう努力したいと思います。
〈残業できない理由がある場合〉
申し訳ありませんが、親の介護があるため残業が難しい状況です。○○時までは就業できるため、時間内で最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、一日でも早く業務を覚えたいと考えています。
残業の多さに関する質問は、採用後のミスマッチを防ぐための意思確認という意図が込められています。残業が多くても大きな問題がない場合は「残業できる」ことを、前職での働き方といった根拠を添えて伝えましょう。
また、どうしても残業が難しい場合は正直に伝えて構いません。その上で「残業が難しい理由」と「どのくらいであれば残業できるのか」を伝えてください。
そのほか、下記の記事では面接でよく聞かれる52の質問と回答例を網羅しています。心配な方はこちらも改めて確認しておきましょう。
コラム:面接官からの追加質問に備える
面接官によっては、回答に対してさらに深堀りするような「追加質問」をしてくることがあります。
揚げ足をとるような指摘など答えにくい質問もありますが、しっかりと落ち着いて考えを述べることができれば問題ありません。「考えが表面的ではなく軸がある」「困ったときも冷静に対応できる」などといった形で、人間性に対する評価がグッと上がります。
〈追加質問の例〉
(応募者)
社員のみなさんが自ら手をあげて新たなサービスの開発に取り組むなど、意欲があればチャレンジできる社風に魅力を感じ、志望いたしました。
↓
(面接官)
確かに社員からの提案で新しいサービス開発が始まることもありますが、トップダウンでやってもらう仕事の方が多いですよ。それでもいいですか。
追加質問への回答に困った場合、焦って適当なことを答えるのはNGです。すぐに答えるのが難しい場合「少し考えるお時間をいただいてもよろしいでしょうか」とお願いしましょう。考える時間は、10秒が目安です。
一方で、全く知らない時事問題など、どうしても回答できない質問の場合は、正直に「不勉強のためわかりません。今後勉強して参ります」と答えましょう。「知識は足りないけど、素直にわからないと言える人」という印象を残せます。
最終面接の逆質問は何を聞けばいい?
社長や役員にだからこそ聞けることを聞く
最終面接の面接官は社長や役員が担当することが多いため、今後の展望や経営戦略など、会社の未来についての逆質問をするのが好印象です。
〈逆質問の具体例〉
- 会社を経営される上で、一番大切と考えていることは何ですか?
- ○○様(面接官の名前)から見て、御社の一番の魅力は何ですか?
- 御社の今後のビジョンを、差し支えない範囲でお教えいただけますか?
下記の記事では、最終面接を実際に担当する面接官に聞いた、6つの「いい逆質問」をまとめています。また、聞いてはいけないNG逆質問も紹介しているので、あわせてご確認ください。
面接当日のマナー・服装も要チェック
最終面接だからこそ、面接の内容以外でのマイナス評価は避けたいところ。面接当日のマナーや服装も、下記の記事で改めて確認しておきましょう。
