合格率・質問・逆質問・心構え これで内定!転職の最終面接対策まとめ
いよいよ最終面接。内定まであと一歩だからこそ、失敗できませんよね。
無事に内定をもらうために、最終面接前にやるべき対策やチェックポイントを、総まとめで解説します。
転職の最終面接ってどんな感じ? コツ・心構え
社長や役員が最終的な見極めを行う
最終面接とは、社長や役員といった経営層が、候補者に内定を出すかどうかを見極めるための文字通り最後の面接です。
最終面接の形式は企業によってまちまちですが、面接官は1~3人、時間は30分~1時間程度が一般的です。
最終面接まで来れたということは、現場レベルでは「採用OK」と判断されたということ。その上で、本当に社員の一員として迎え入れても問題ない人物なのか、(候補者が複数名いる場合)その中で優先して採用すべきなのは誰なのかがジャッジされます。
最終面接で見られる3つのポイント
最終面接の面接官が見ているポイントは、主に下記の3つです。
入社意欲・志望度が高いか
最終面接では第一に、入社意欲や志望度の高さがチェックされています。
どんなに高いスキル・能力を持っている候補者でも、それを十分に発揮してもらえるかどうかは、仕事に対する熱意や、入社したいという気持ちの強さ次第だと考える経営層は少なくありません。
やる気や自社に対する思い入れがあれば、たとえ入社してから壁にぶつかったときでも、粘り強く立ち向かって乗り越えていけるだろう=短期離職せず、中長期的に活躍してくれるだろうと期待できるからです。
同じレベルの候補者が何人かいるときも、最終的に差がつくのはこの部分が大きいでしょう。
キャリアビジョンや価値観が合っているか
転職の最終面接では、候補者のキャリアビジョンや価値観が自社に合っているかどうかも、重要なチェックポイントになっています。
具体的には、候補者の「◯◯のスキルを身に着けていきたい」「△△の経験を積んでいきたい」といったキャリアビジョンが、自社の期待している役割や方向性とズレていないかや、仕事に対するスタンスや価値観が自社の社風や理念、求める人物像に合っているかなどが見られています。
最終面接の面接官はそうしたスキル・能力面以外の「自社との相性」をチェックすることで、候補者がうまく組織に馴染み、中長期的に活躍してくれる人物かどうかを見極めているのです。
一次・二次面接との矛盾がないか
候補者の話す内容が、一次・二次面接での回答内容と矛盾していないかも、最終面接のチェックポイントです。
最終面接とそれまでの面接とで、回答内容に矛盾やギャップがあるということは、候補者が取り繕った回答をしている、あるいは一次・二次面接での見極めが十分にできていないことが考えられます。すなわち、自社への適性があるとは言い切れません。
最終面接の面接官は、一次・二次を含めた面接全体での回答内容に一貫性があるかをチェックすることで、本当に適性のある人材かどうかの見極めも行っているのです。
最終面接の合格率は?落ちる人の特徴・理由
最終面接の合格率は50%程度
最終面接の合格率は一般的に、50%ほどだとされています。
また、企業の採用活動にくわしいキャリアアドバイザーに話を聞くと、最終面接の合否には、下記のような傾向があるようです。
〈最終面接の合否の傾向〉
- 採用枠が少ないと落ちやすい
- 営業職は技術職と比べて落ちやすい
- 面接回数が少ないと落ちやすい
そもそも応募人数に対して採用枠が小さいほど、倍率が高まるため最終面接の合格率も下がります。
また、資格などでスキル・能力が評価しやすい技術職に比べ、営業職は話したときの印象や人柄がより重視されるため、最終面接であってもその点がネックとなり、落ちてしまうケースもあるでしょう。
さらに、面接回数が最終面接を入れて2回だけなど、それまでの面接回数が少ないほど、最終面接でもしっかり見極めを行う傾向が強く、対策ナシでは不合格になってしまいやすいようです。
最終面接で落ちる人の特徴・理由3つ
見られているポイントの裏返しにはなりますが、最終面接で落ちてしまう人の特徴や理由としては、下記の3点が挙げられます。
企業理解が浅い
企業研究が不足しており、質疑応答の中で企業理解の浅さが露呈してしまうと、最終面接に落ちてしまうリスクが高まります。
例えば、質問に対する回答の中で「御社では◯◯を大切にされていると伺ったので~」などと、応募先について言及した内容が実態とズレていたり、逆質問で「御社の注力事業を教えてください」などと、調べればすぐわかるようなことを聞いてしまったりといったケースが挙げられます。
このように、質疑応答の節々で「なんか勘違いしているかも?」「これくらいは知っていてほしかった…」と感じさせてしまうような場面が続くと、入社意欲を疑われかねません。
キャリアビジョンが曖昧
キャリアビジョンが曖昧な場合も、最終面接に落ちる原因になります。
企業は中長期的に活躍してくれる人物を求めているため、任せたい仕事が問題なくできるかだけではなく、「入社後は◯◯にチャレンジして、将来的にはこうなりたい」といった自分なりの展望があるかも見ています。
よって「どんなことをしたい?」「どんな仕事に興味がある?」「ウチのどこに惹かれた?」といった質問に対して、口ごもったり曖昧すぎる回答をしたりするのはNG。
面接官からすると「自社でのキャリアビジョンを描けていない」といった印象になり、長く働いて組織に貢献するイメージを持ってもらえないからです。
もちろん、入社してみないことにはわからない部分も大きいため、あくまでザックリとした方向性だけで問題ありませんが、キャリアに対する思いを自分の言葉で語れるようにしておくことが大切です。
キャリアプランの答え方について、くわしくはこのあとの「最終面接では何を聞かれる? よくある質問・回答例」のうち「入社後はどんなことに挑戦したいですか?(キャリアプラン)」で解説します。
回答内容に一貫性がない
一次・二次面接で伝えた内容と大きなギャップがあったり、最終面接の中で話がコロコロ変わるなど、回答内容に一貫性がない場合は落ちやすくなってしまいます。
こうした態度は面接官からすると「ウケがいいように、嘘をついているのでは?」「自分の中でまだ考えが固まってないのでは?」などと映り、誠実さや適性に欠ける印象になってしまいます。
上記の他にも「緊張しすぎてしどろもどろ・挙動不審」「仮にも経営層の面接官に対して無礼な態度をとった」というようなことも、最終面接に落ちる原因となります。
一次・二次面接と注意すべきことは変わりませんが、当日のマナー・立ち居振る舞いについては、このあとの「おさらい!最終面接当日のマナー・服装・持ち物」から改めて確認しておきましょう。
最終面接という状況で緊張してしまう人は、下記の記事から緊張をほぐす方法をチェックして実践してみるのもオススメです。
最終面接の合格率や落ちる理由について、くわしくは下記の記事で解説しています。
最終面接に受かるには? やるべき対策・準備
最終面接に受かって内定を獲得するために、やるべき対策・準備は下記の5つです。
企業研究をさらに掘り下げる
最終面接に受かるためにはまず、企業研究を今まで以上に掘り下げ、応募先への理解をさらに深めることが大前提になります。
最終面接では、仕事に対する熱意や入社したいという気持ちの強さを、一次・二次面接以上に伝えなければいけません。
そのためには、入社後の業務内容はもちろん、応募先の現状や取り巻く環境、経営層の考え方や方針なども、できる限りくわしく把握しておく必要があります。
具体的な方法としては、下記のようなものが挙げられます。
〈最終面接前にやるべき企業研究の例〉
- IR情報や応募先に関するニュースをチェックし、経営計画や現状の課題・取り組みの状況などを確認する
- 社員や経営層のインタビュー記事や書籍を読み、仕事に対するスタンスや経営理念を理解する
- 競合他社についても同様に調べ、応募先との違いを明確にしておく
- 転職エージェントに、今回の採用のねらいや期待されている役割を聞く
…など
こうして企業研究をさらに掘り下げることで、回答に説得力が増したり、突っ込んだ質問をされても迷わず回答できるようになるでしょう。
その結果「自社についてきちんと理解してくれていそう」「これだけ調べてくれているなら、きっと志望度も高いだろう」などと印象付けることができるのです。
一次・二次面接の振り返りを行う
最終面接に受かるためには、一次・二次面接の内容を振り返ることも大切です。
最終面接の面接官は、一次・二次の面接官が見極めきれなかったことを、最終面接の場で確認しようと、同じ質問や似たような質問をしてくることがあるからです。
具体的にはまず、一次・二次面接で聞かれた質問と、自分の回答内容を思い出します。
その上で、一次・二次面接では伝えきれなかったと思うポイントや、面接官の反応がイマイチだったと感じたポイントについてはとくに、よりよい回答ができるように準備しておきましょう。
志望動機に「根っこ」があるか確認する
最終面接では志望動機を改めて聞かれるケースがありますが、その際にきちんと「根っこ」のある内容を伝えられるように準備しておきましょう。
具体的には、応募先企業のどんな部分に魅力を感じているかという「what」の部分だけではなく、どうしてそこに魅力を感じたのかという「why」の部分をきちんと言語化できるかどうかを確認します。
なぜなら「御社の◯◯という部分に惹かれて~」といった「what」だけの志望動機は、単に応募先企業の強みや特徴を説明するような内容になりやすく、面接官から「どこかで聞いたような内容だな」「あなた自身のことを知りたいんだけど…」などと思われてしまうからです。
そうではなく、その「what」にどうして惹かれたのか、過去の経験やエピソードから生まれた考え方や価値観と紐付けて語ることが大切です。
そうした「why」のある志望動機の伝え方や考え方について、くわしくは下記の記事で解説しています。
志望動機以外に最終面接でとくに準備しておきたい質問と回答例については、このあと「最終面接では何を聞かれる? よくある質問・回答例」でくわしく解説します。
キャリアビジョンを明確にする
最終面接では、キャリアプランやキャリアビジョンを聞かれることもあります。入社後にどんなことにチャレンジしたいのか、どんな経験を積んでどんな人材になっていきたいのかなどを、整理して言語化しておきましょう。
自分自身のキャリアに対する思いや希望を中長期的な目線で語ることができれば、面接官に高い志があることが伝わり「自社で長く働いてもらえそう」と印象づけることができます。
ただし、伝える内容はもちろん、会社が目指している方向性や、応募先のポジションで求められていることと一致していなければなりません。
キャリアプランの答え方について、くわしくはこのあとの「最終面接では何を聞かれる? よくある質問・回答例」のうち「入社後はどんなことに挑戦したいですか?(キャリアプラン)」で解説します。
社長・役員だからこその逆質問を用意する
最終面接では一次・二次面接と同じく、終盤で逆質問の時間が取られるケースが一般的です。
大前提ですが、何か質問がないか聞かれた場合は、必ず何かしら質問するようにしましょう。
その際、具体的な業務内容や勤務条件など、それまでの面接で聞いておくべきようなことではなく、社長・役員にだからこそ聞けるような、会社や事業全体に関する逆質問をするのがポイント。
入社したいという意欲の高さや、相手に合わせた質問ができるコミュニケーション能力があることが伝わるからです。
また、視座の高さも伝わり「組織や事業の拡大のために、中長期的に活躍してくれそう」と思ってもらうこともできるでしょう。
最終面接における逆質問のポイントや具体的な質問例について、くわしくはこのあと「最終面接の逆質問は何を聞く? おすすめ質問例」で解説しています。
下記の記事では、これまで2万人以上と面接してきた採用のプロ、曽和利光さんに聞いた最終面接のポイントや対策を聞きました。
こちらもあわせてチェックすることで、最終面接対策がより盤石なものとなるでしょう。
最終面接では何を聞かれる? よくある質問・回答例
最終面接で聞かれる質問は、一次・二次面接と大きな違いはありません。
ただし、最終面接では「志望度が高いか」「中長期的に活躍できそうか」がこれまでの面接以上に見られています。
そのことを念頭に置き、すべての質問において、説得力のある受け答えを心がけましょう。
最終面接でよく聞かれる質問のうち、とくに準備しておきたい5つの質問について、回答例と答え方のポイントを解説します。
〈最終面接でとくに準備しておきたい質問5選〉
▼志望動機
なぜ当社を志望したのですか?
志望動機は面接の定番ですが、志望度の高さを確かめるために、最終面接でも改めて聞かれるケースがあります。
最終面接の志望動機は、応募先のどこに惹かれたかという「What」だけではなく、なぜ惹かれたのかという「Why」を意識して伝えましょう。
まずは結論として、応募先企業に惹かれているポイントを述べ、その点に魅力を感じた理由や背景、自分の価値観などを具体的なエピソードとともに語ります。
そうすることで、面接官に対して思いの強さやブレない芯があることが伝わり、「困難にぶつかっても乗り越えられそう」「中長期的に活躍してくれそう」などと思ってもらうことができます。
〈例文:IT企業へ転職する場合〉
私は、介護にITを活用するというビジョンに共感して、御社を志望しています。
私は祖父の介護をきっかけに、日本の少子高齢化問題の解決に、自分の得意分野であるITで何らかの貢献ができないかと問題意識を持ち続けてきました。介護の現場は身体的な負担が大きいのはもちろん、夜間の見守りなど気を抜けない場面も多く、改善の余地が多々あると感じたためです。
前職のIT企業では介護分野と関わりが無かったのですが、培った技術をいつかこの分野で発揮したいという熱意を持ち続けてきました。そのため、IT企業でありながら、介護や福祉サービスにも深く関われる御社を強く志望しています。
「why」のある志望動機の伝え方や考え方について、くわしくは下記の記事で解説しています。
また、職種別の志望動機の例文については、それぞれ下記のリンク先で確認してください。
分類 | 職種 |
営業系 | |
事務系 | |
販売・接客系 | |
製造・技術系 | |
建築・土木・不動産系 | |
インフラ・物流系 | |
IT系 | |
経営・企画系 | |
コンサルティング系 | |
医療・看護・介護系 | |
保育・教育系 |
▼キャリアプラン
入社後はどんなことに挑戦したいですか?
最終面接の面接官は「自社に長く勤めてくれそうか」を確認するため、キャリアプランについて質問してくることがあります。
キャリアプランを聞かれた場合は、直近の3~5年ほどで達成したいことと、さらにその先で思い描いていることをあわせて伝えましょう。
その際、どうしてそう考えるようになったのか、具体的なエピソードをあわせて話せると、説得力が上がります。
〈例文:営業職の場合〉
まずは少しでも早く、プレイヤーとしてしっかり成果を出せる人材になりたいです。その上で、将来的にはマネージャーになることを目標に、マネジメントの経験も積んでいきたいと考えています
マネージャーを志す理由としては、前職で後輩2人のOJTを担当する中で、ノルマ達成に向けた動機付けや的確なフィードバックを考えるなど、メンバー指導やチームづくりの業務に大きなやりがいを感じたからです。
そうした経験を活かし、若手メンバーの育成にも関われるよう、まずはプレーヤーとして一人前になることを目指して尽力する所存です。
キャリアプランの考え方や答え方・例文について、くわしくは下記の記事で解説しています。
▼スキル・長所
ご自身の強みを、どのように活かせるとお考えですか?
最終面接では一次・二次面接と同様、スキルや経験、長所(強み)について聞かれることがあります。
これには、候補者のスキルや経験が自社で活かせそうかや、仕事に対する価値観が自社とマッチしているかを改めて確認したいという意図があります。
一次・二次面接とまったく異なる内容を伝えてしまうと不信感につながるので、応募先で求められているスキルやスタンスを改めて確認し、それが備わってることを、根拠となるエピソードとともにアピールしましょう。
〈例文:保険営業の場合〉
これまでの経験で培った課題発見能力を、御社の保険営業でも発揮し、お客様の課題解決に役立てられたらと考えております。
前職ではヒアリングした内容をもとに、お客様が自覚されていない課題やニーズを仮説立てて提案することで、高い目標達成率や満足度を実現しておりました。
保険はお金やライフプランに関わるものだからこそ、こうした能力を活かし、お客様の本音を引き出すことで契約につなげていければと考えております。
長所・短所の答え方や例文について、くわしくは下記の記事で解説しています。
▼他社の選考状況
当社以外に選考が進んでいる企業はありますか?
最終面接では、内定を出した場合に確実に入社してくれそうかを確かめるために、他社の選考状況について聞かれることがあります。
他に受けている企業がある場合、どういった軸(基準)で、どんな業界・職種の企業を、何社ほど受けているのか端的に伝えましょう。
他に受けている企業がない・あるいは受けていたが落ちてしまった場合、受けているのは応募先だけだという点とあわせて、その理由を伝えます。
〈例文:他に受けている企業がある場合〉
はい。前職の営業経験を活かせる食品メーカーを中心に受けており、御社の他にもう1社、面接に進んでおります。
〈例文:他に受けている企業がない場合〉
いいえ。他に受けている企業はございません。
もう1社、選考を進めていたところがありましたが、先日の面接で不合格になってしまったため、現在は御社だけ受けている状況です。
他社の選考状況について答える際は、嘘をついたり、具体的な企業名を正直に答えたりする必要はありません。
ただし、この質問のあとに、下記のようなことを追加で聞かれる可能性が高いので、あわせて回答を準備しておきましょう。
〈他社の選考状況とあわせて聞かれやすい質問〉
- 選考が進んでいる企業のうち、当社は第何志望ですか?
- もし内定が出た場合、入社していただけますか?
- (他の応募先企業の)具体的な選考スケジュールを教えていただけますか?
他社の選考状況や、その関連質問に対する答え方の例文やポイントは、下記の記事でくわしく解説しています。
▼逆質問
何か質問はありますか?
一次・二次面接と同様、最終面接の終盤では逆質問の時間があることが一般的です。
社長や役員といった経営層相手だと、何を聞いたらいいか悩んでしまいがちですが、逆質問は志望度の高さを伝える最後のアピールチャンスです。
最終面接の逆質問について、ポイントやおすすめの質問例は次の章「最終面接の逆質問は何を聞く? おすすめ質問例」で解説します。
最終面接の逆質問は何を聞く? おすすめ質問例
最終面接の逆質問では、単純に疑問を解消することだけではなく、企業に対する興味や視座の高さをアピールすることが大切です。
具体的には、企業研究や説明内容をふまえた逆質問や、会社や事業全体に関する逆質問をするのがオススメ。
そうすることで「本気で入社したいと思ってくれていそう」「会社を広い視野で捉え、中長期的に活躍してくれそう」と印象づけることができます。
具体的な質問例について、順番に見ていきましょう。
企業研究や説明内容をふまえた逆質問
最終面接では、企業研究で調べたことや面接中に出た話で気になったことを掘り下げるような逆質問ができると、評価が高まります。
具体的な質問例としては、下記のようなものが挙げられます。
〈最終面接で聞くべき逆質問の例〉
- 「先程、苦労されたとおっしゃっていた✕✕のプロジェクトについて、課題をどのように乗り越えられたのか、お聞かせいただけますでしょうか?」
- 「御社は『経営層と現場社員の距離が近い』とホームページで拝見しましたが、△△様がそのように感じる場面がございましたら、くわしく伺ってもよろしいでしょうか?」
- 「先月の◯◯新聞のコラムで△△様が『仕事とは思いやりの積み重ね』とおっしゃていたのが印象的だったのですが、どうしてそうお考えになったのか、くわしくお伺いできますでしょうか?」
こうした逆質問は「自社についてくわしく調べてくれている」「自分の話について興味を持ってくれている」といった印象につながり、入社意欲の高さをアピールできるでしょう。
会社や事業全体に関する逆質問
最終面接の面接官は社長や役員といった経営層が担当することが多いため、そうした立場の方だからこそ聞ける逆質問をするのも、印象が良いでしょう。
具体的には、下記のような組織全体に関わる質問や、企業の未来に関する質問がオススメです。
〈最終面接で聞くべき逆質問の例〉
- 経営理念について
「△△様が、御社の◯◯という経営理念が『よく体現されているな』と感じる場面がございましたら、伺えますでしょうか?」 - 自社の魅力・課題について
「△△様から見て、御社の魅力はどのようなところにあるとお考えですか?」 - 社員に求めている姿勢や能力について
「新しく入った社員に対して『まずはこれを求めたい』といった姿勢や能力がございましたら、お聞かせいただけますか?」 - 事業に関する直近の取り組みや今後の展望について
「御社が先日発表された◯◯という商品について、どういったねらいがあったのか、差し支えない範囲で伺えますでしょうか?」
こうした質問は「会社の未来や経営のことを考えられる素養がある」ことが伝わり、経営層の面接官に対して、中長期的に働いて活躍するイメージを持ってもらいやすいでしょう。
そのほか、面接官に聞いた、最終面接で印象のよかった逆質問の具体例については、下記の記事で解説しています。
コラム:最終面接の逆質問はリアクションが大事!
最終面接の逆質問は、面接官の回答に対してきちんとリアクションを取ったり、回答をさらに掘り下げることも大切です。
逆質問に対して回答をもらえたら、まずはお礼を伝えつつ、「非常に勉強になりました」「それは驚きです」といった、相手が「話してよかった」と思えるようなリアクションを取りましょう。
その上で「それは◯◯ということでしょうか?」「どうしてそう思われたのですか?」など、回答をさらに掘り下げる形で質問を重ねるのも効果的です。
こうした態度を取ることで、面接官としても気分が良いことはもちろん、「自分の話や自社に興味を持ってくれている」などと印象づけられ、入社意欲のアピールにつながります。
おさらい!最終面接当日のマナー・服装・持ち物
面接当日のマナーや持ち物、服装や身だしなみは、一次・二次面接と最終面接とで大きな違いはありません。
ただ、面接官は社長や役員といった経営層ということもあり、失礼な態度や発言、ビジネスマンとしてふさわしくない振る舞いなどがあると、大きなマイナスポイントになってしまうことも。
「面接は何回かやっているから大丈夫だろう」と気を抜かず、改めてひととおりのマナーを確認しておきましょう。
当日の流れとマナー(受付~入室~退室)
最終面接当日の流れはそれまでの面接と変わりませんが、下記のチェックリストでもう一度イメージしておくと安心です。
〈当日マナーのおさらいチェックリスト〉
- 最終面接当日は5分前までには到着し、受付を済ませる
- 案内された部屋に面接官が来たら、立ち上がって挨拶・お辞儀をする
- 面接官が待つ部屋に入室する場合、ノックをして返事があったらドアを開ける。入室したらドアを閉めてから向き直り、立ったまま挨拶・お辞儀をする
- 面接中は背筋を伸ばし、膝を閉じて座る
- 明るくハキハキとした声で、面接官の目を見て話す
- 面接後はお礼を伝え、お辞儀をしてから帰る
面接当日のマナーについて、もう一度くわしくおさらいしておきたい場合は、下記の記事もあわせてチェックしましょう。
服装・身だしなみ
最終面接の服装・身だしなみは、社長や役員に会うことを考えると、スーツが基本です。
それまでの面接と同様、清潔感を意識します。面接直前に、下記のチェックリストで最終確認をしましょう。
〈面接直前の身だしなみチェックリスト〉
- 髪の毛に寝癖がなく、清潔感があるか
- スーツにシワやホコリがないか
- 靴はきれいに磨かれているか
- 体臭や口臭はきつくないか
面接の服装・身だしなみについて、改めて確認しておきたい場合は、下記の記事も要チェックです。
持ち物
最終面接の持ち物も、とくに一次・二次面接と変わりません。
交通費の精算などで印鑑を持参するよう指示されることがあるので、忘れないようにしましょう。
〈最終面接の持ち物リスト〉
- 履歴書などの応募書類(持参するように指示されている場合)
※自分用のコピーもあるとよい - 印鑑
- 白無地の不織布マスク
- スケジュール帳
- 筆記用具(ボールペン、鉛筆など)
- スマートフォン
- 腕時計(黒や茶色の革、シルバーのもの)
- 財布(現金・ICカード、身分証明書)
- ハンカチ、ティッシュ
面接の持ち物について、くわしくは下記の記事を確認してください。
最終面接が終わったら…
最終面接が終わったあとに気になる、3つの疑問についてお答えします。
〈最終面接後によくある疑問〉
最終面接の結果はいつ来るの?
一週間が目安。それ以上かかることも
面接の結果連絡は通常、面接から1週間以内に来るのが一般的ですが、最終面接はそれ以前の面接に比べ、結果連絡が来るまでに時間がかかることがあります。
最終面接は内定を出すか出さないかを決める重要なフェーズのため、社内での議論や調整に多くのメンバーが関わるからです。
結果連絡が遅いからといって不合格とは限らないので、ひとまず1週間程度は待ってみましょう。それでも結果連絡がこない場合、問い合わせのメールをしても問題ありません。
面接の結果連絡や問い合わせのメールについて、くわしくは下記の記事で解説しています。
最終面接に落ちるフラグ・受かるサインってあるの?
フラグはあくまで参考程度にする
最終面接を受けた後に気になるのが、合格・不合格フラグ。転職Hacksが行った調査では、面接官の発言や態度によっては、フラグといえそうなものも一部あるという結果になりました。
▼合格・不合格フラグについてくわしく
ただし、同じ面接官の発言・態度であっても、それがフラグかどうかは企業や面接官によって異なる上、期待していたのにも関わらず不採用通知をもらった場合、余計にショックを受けてしまうことにもなりかねません。
面接官の一挙手一投足がフラグかどうかを気にしすぎるのは精神衛生上よくないので、あまり考えすぎず、内定をもらったら承諾するのか、もらえなかったら次はどの企業に応募するのかを考えるなど、結果待ちの期間を有効活用するのが得策です。
内定後の流れについては、下記の記事でくわしく解説しています。
最終面接のお礼メールは送った方がいい?
基本は「送らない」でOKだけど…
最終面接のお礼メールは、とくに理由がなければ送らなくても問題ありません。
お礼メールには不合格をくつがえすほどの効果はない上に、送らないからといってマナー違反になることもないからです。
実際、採用担当者の話によれば、中途採用でお礼メールを送ってくる候補者はまれだそう。
ただし、他の条件はクリアしていて面接の評価もいいのに「遅刻した」「緊張でうまく話せなかった」などのピンポイントな失敗をしてしまったときは、お詫びや弁明を兼ねたお礼メールを送ることで、それが安心材料となって合格に傾くことがあるようです。
面接のお礼メールの書き方や例文は、下記の記事から確認してください。
最終面接に関する連絡マナー・メール例文
この章では、最終面接にまつわる、採用担当者との連絡マナーやメール・電話例文を紹介します。
必要に応じて、コピー&ペーストして使用してください。
最終面接の日程が確定し、返信するとき
件名:Re:Re:最終面接の日程についてご連絡【株式会社○○○】
本文:
株式会社○○○
人事部 △△様
お世話になっております。
この度はお忙しい中、面接の日程をご調整いただき、誠にありがとうございました
それでは、下記の日時にお伺いいたします。
日時:●月●日(●)●時~
場所:株式会社○○○ 本社ビル
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)
採用担当者とのやり取りを済ませ、最終面接の面接日程が確定したら、最後に確認とお礼の返信メールを送りましょう。
認識間違いを防ぐために、日付・曜日・時間・場所を改めて記載するのがポイントです。
最終面接の日程を調整・変更するとき
件名:◇次面接の日程変更のお願い【氏名】
本文:
株式会社○○○
人事部 △△様
お世話になっております。
先日、最終面接のご連絡をいただきました、[氏名]と申します。
この度は面接の日程変更をお願いしたく、ご連絡差し上げました。
お約束しておりました●月●日(●)●時~ですが、
急な顧客対応が入り、面接に伺えなくなってしまいました。
ご調整いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。
身勝手なお願いで大変恐縮ではございますが、
よろしければ以下の日程への変更をご検討いただけないでしょうか。
- 月●日(●)●時~●時
- 月●日(●)●時以降
- 月●日(●)●時まで
- 月●日(●)終日
お手数をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。
よろしくお願い申し上げます。
氏名:○○○○
メールアドレス:○○○○@○○○○
電話番号:○○○○
住所:〒○○○-○○○
(都道府県から市区町村、番地、建物名、号室を正確に記載)
一度確定した最終面接の日程の都合が悪くなった場合は、できるだけ早い段階で変更・再調整のお願いをしましょう。
面接に行けなくなった理由とお詫びの気持ちを簡潔に書き、対応可能な希望日程を3つ以上提示します。移動時間も考慮し、対応可能な時間を明確に伝えるようにしましょう。
そのほか、最終面接の前後に必要なメールの例文やポイントについては、下記の記事で解説しています。
この記事の執筆者
ライター・編集者
金子 龍介
株式会社クイック
転職Hacks編集部のライター・編集者。面接対策の記事を中心に、転職ノウハウやキャリアに関する記事を手がける。
「人前で話すことが苦手」という自らの課題意識を原動力に、同じように悩む方に向けて、声や表情、伝え方といったコミュニケーションにまつわるテーマにも注力している。